狭山市『移ろいゆく家』— 無事にお引き渡しいたしました
2025.07.31 カテゴリ: 日記
狭山市『移ろいゆく家』— 無事にお引き渡しいたしました
狭山市にて手がけてまいりました『移ろいゆく家』、このたび無事にお引き渡しをさせていただきました。
クライアントのT様と初めてお会いしたのは、2022年10月。
そこからおよそ3年、土地探し・打ち合わせ・設計・工事と一緒に歩んできた月日を思い返すと、感慨深いものがあります。
当時はまだいらっしゃらなかったお子さまも、今では元気に歩き回るほどに成長され、ご家族の時間とともに家づくりが進んだことを改めて実感しています。
■ グラウンドを眺める暮らしをこの場所で
建築地は北東角地に位置し、すぐ近くには広々としたグラウンド。
初回のヒアリングでT様が「ここでグラウンドを眺めながら仕事ができたら」とおっしゃった言葉が、今でも印象に残っています。
造成や地盤改良といった工事的なハードルもありましたが、それ以上にこの土地の持つ魅力が際立っていました。
景色・抜け感・自然光の入り方など、この場所でしか得られない豊かさが確かにあったと思います。
■ “日射とプライバシー”を両立させた中庭型のプラン
南と西側には既存住宅が建ち並んでいるため、設計では日射の確保とプライバシーの保護が大きなテーマとなりました。
最終的にたどり着いたのは、コの字型の中庭プラン。
建物の中央に庭を設けることで、どの部屋にも光と風が行き渡る構成に仕上がりました。
中庭は住空間とのつながりを感じられる場となり、外からの視線を気にせずくつろげる**“もう一つのリビング”**にもなっています。
■ 和の趣と木のぬくもりが宿る空間
T様からいただいた最大のご要望のひとつが、小上がりならぬ“小下がり”の和室でした。
リビングとつながりながらも、ほんの少し目線を落とすことで、空間に変化と心地よさをもたらしています。
その他にも、木製建具や障子、造作の工夫の数々など、住まいのあちこちにT様の想いが込められています。
シンプルながら、細部にこだわりが詰まった、唯一無二の住まいが完成しました。
■ 『移ろいゆく家』という名に込めて
『移ろいゆく家』という名前には、
季節の変化、家族の成長、暮らしの中にある小さな変化を受けとめながら、やさしく包み込む家であってほしい
という願いが込められています。
完成はひとつの区切りですが、ここからが“暮らしの物語”のはじまりです。
T様ご家族がこの住まいとともに、たくさんの時間を紡いでいかれることを、心から願っております。
少しですが、お家の様子をご紹介させていただきます。
玄関へのアプローチ、今回造園は【園三】さんとなります。



小下がりの和室と木製建具と障子。
障子の開閉だけで室の使い方が変わってくる。天井は埼玉県飯能市【西川材】杉を使用。
壁には秋田杉を使って質感を変えてみました。


全開口出来る木製建具が中と外をつなげる。
中庭に設けたウッドデッキも屋根が掛かっています。

これからたくさんの思い出を家とともに作っていただければ幸いです!
今後とも末永くよろしくお願いいたします!
